相続人の範囲と法定相続分について場合分けをして考えると、以下のような例が考えられます。
妻と子供2人が相続人になります。
ただし、相続分は、妻が2分の1、子供は妻の残りを均等に分けますので、子供1人あたり4分の1となります。
妻と被相続人の両親が相続人になります。
ただし、相続分は、妻が優先されますので、妻が3分の2、両親が3分の1となります。
そして、両親の間では相続分は均等ですので、両親のうち1人あたり6分の1となります。
妻と被相続人の兄弟が相続人になります。
ただし、相続分は、2の事例よりもさらに妻が優先されますので、妻が4分の3、兄弟(姉妹)が4分の1となります。
そして、兄弟の間では相続分は均等ですので、兄弟のうち1人あたり8分の1となります。
結婚外で生まれた子供(非嫡出子)でも、認知されていれば戸籍上の子供です。
そのため、結婚中に生まれた子供でも、結婚外で生まれた子供でも、相続人になることはできます。
もとは、結婚外で生まれた子供は、結婚中に生まれた子供の半分の相続分でしたが、最高裁判決定により(平成25年9月5日以降の相続では)、均等になりました。
結婚外で生まれていても、子供である以上は相続人になれます。
しかし、認知されていない場合には、そもそも子供かどうか分かりませんので、認知されていない場合には、相続人にはなれません。
認知はされていないが子供ではあるという場合には、まずは認知の請求をする必要があります。
内縁の妻は相続人ではありませんので、他に相続人がいる場合には、内縁の妻には相続分がありません。
被相続人に相続人がいない場合には、内縁の妻が裁判所に対して、特別縁故者として被相続人の遺産の分与を求める申立てをすることになります。
被相続人の子供が既に亡くなっている場合でも、さらにその子供(被相続人から見て孫に当たる)がいる場合には、代襲相続として亡くなった子供の子(孫)が相続人となります。
このような子(孫)が複数人いる場合には、本来亡くなった子供が相続するはずだった相続分を均等に分けます。
養子も法律上は子供ですので、相続人となります。
ただし、離縁して養子ではなくなった後については、相続人ではありません。
離婚して親権者でなくなっても親子関係がなくなるわけではありません。
そのため、親権者でなくなっても、血縁関係のある子供であれば相続人になります。
被相続人が亡くなった際に、既に妻が妊娠中であれば、原則として胎児も子供の1人として相続人となります。
しかし、その後、胎児が死産であったような場合には、その胎児は相続人にはなりません。
例えば、飛行機事故等で、家族が一家で亡くなることも想定できます。
そのようなとき、どのような順序で亡くなったか分からない場合には、同時に亡くなったものと推定されます(民法32条の2)。
相続人となるには、被相続人が死亡した際に生存している必要がありますが、一家で亡くなり、どのような順序で亡くなったか分からない場合には、被相続人が亡くなった際に死亡していたのか生存していたのかが分からないということになります。
そのため、このような場合には、その一家はお互いに相続人ではないということになります。
このような場合、代襲相続等の規定を用いて相続人を確定することになります。
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