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葬儀費用の負担者の問題

※こちらの記事は2022年9月8日までの情報を元に作成しています。執筆時点以降の事情変更により記事の内容が正確でなくなる可能性がございます。

引用しているウェブサイトについても同様にご注意ください。

ガスメーター

訃報は突然やってきます。

ご親族が亡くなられたときには、死亡診断書の提出や葬儀場の手配、年金の受給停止手続や雇用保険受給資格者証の返還など、やらなければならない手続がたくさんあります。

当該手続がひと段落し、いざ相続人で遺産を分けるという段階になったとき、そもそも葬儀費用はどのように扱われるのでしょうか。

今回は、遺産分割における葬儀費用の考え方について、ご紹介していきます。

葬儀費用の取り扱いについて明確な取り決めがない!?

ご親族が亡くなられた際、葬儀を執り行うことが多いと思います。

しかし、実は、この葬儀費用の取り扱い(葬儀費用は誰が負担すべきなのか)について、明確な取り決めがないのが実情です。

なぜ葬儀費用の取り扱いに取り決めがないのか?

葬式の費用は相続人の死亡後に発生する問題ですので、亡くなられた方(被相続人)の遺産には含まれません。(=遺産分割の対象ではありません。)

そのため、遺産分割にて、当然に相続人全員で負担すべきものとして解決することができないのです。

もっとも、(本来は民事訴訟の手続で解決すべきですが)相続人全員の同意があれば葬儀費用も遺産分割に含めて考えることが可能であり、実際には、遺産から葬式の費用分を引いて、残りを遺産分割するというケースも少なくありません。

葬儀費用を誰が負担するべきかについて代表的な考え方としては、次の3つの見解があります。

①喪主が負担すべきとする見解

1つ目は、葬儀費用は喪主が負担すべきとする見解です。

これは、そもそも葬儀を執り行うか、また葬儀を執り行うにしてもどの程度の規模や費用を想定するかは、葬儀を主宰する喪主が決めることになるため、その費用は喪主が負担するのが相当であるという考えになります。

喪主が負担すべきとする見解に立つ場合、喪主は、負担した葬儀費用について亡くなった方の遺産から支出することはできないということになります

②相続人または相続財産で負担すべきという見解

2つ目は、相続人または相続財産で負担すべきとする見解です。

これは、葬儀費用は相続人全員で負担するのが公平であるという考えになります。

相続人または相続財産で負担すべきという見解に立つ場合、葬儀費用は亡くなった方の遺産から支出することができるということになります。

③慣習や条理によって決めるべきという見解

3つ目は、慣習や条理によって決めるべきとする見解です。

これは、そもそも葬儀費用をどうするかは一義的に決められる事項ではないため、慣習や条理に従うべきだという考えになります。

慣習や条理によって決めるべきという見解に立つ場合、葬儀費用の取り扱いは事案ごとに異なることになります。

裁判所の考え方

葬儀費用の取り扱いについて、以下で述べるとおり、裁判所は必ずしも明確な判断をしているわけではありません。

なお、遺産分割の調停(審判)手続において、葬儀費用の負担が争われた場合、当事者間で調整ができなければ、遺産分割手続が切り離されることになります。

裁判例の紹介

以下、いくつか裁判例を紹介します。

裁判所としても、明確な基準は示しておらず、葬儀に関する個別事情を考慮しているように思えます。

葬儀を主催した者が負担すべきものとした事例

本判決において、裁判所は、葬式費用は、相続財産(民法885条)に関する費用と解することはできず、また相続税法の規定も、相続人が負担する葬式費用を控除して相続税を課税することを規定したにすぎないなどとしたうえで、「葬式費用は、特段の事情のない限り、実質的に葬式を主宰した者が負担すべきものと解するのが相当」としました。

(東京地裁昭和61年1月28日判決)

上記事案では、喪主とされた人(A)と実際に葬式の段取りや準備、火葬場の手配、香典の管理、香典返し、参加者への飲食の準備を行った人(B)が異なっており、裁判所は、実際に葬式を主宰したBが葬式費用を負担すべきとしました。裁判所としては、単に喪主という肩書だけで判断しているのではないといえます。

葬儀を主催した者が負担すべきものとした事例

本判決において、裁判所は、まず、葬儀費用につき「死者の追悼儀式に要する費用及び埋葬等の行為に要する費用(死体の検案に要する費用、死亡届に要する費用、死体の運搬に要する費用及び火葬に要する費用等)」を指すことを確認したうえで、「亡くなった者が予め葬儀に関する契約を締結するなどしておらず、かつ、亡くなった者の相続人や関係者の間で葬儀費用の負担についての合意がない場合においては、追悼儀式に要する費用については同儀式を主宰した者、すなわち、自己の責任と計算において、同儀式を準備し、手配等して挙行した者が負担し、埋葬等の行為に要する費用については亡くなった者の祭祀承継者が負担するものと解するのが相当」としました。

(名古屋高決平成24年3月29日判決)

上記事案でも、実際に葬式を主宰した者が葬儀費用を負担すべきと判断しており、裁判所は、その実態に着目しているといえます。

注意したい葬儀費用のトラブル

裁判所は喪主という単なる肩書だけで判断しているのではないにしても、裁判例としては喪主が負担すべきとする見解というのが多いのが現状です。

しかしながら、他に喪主を務める人がいなかったため引き受けたなど、やむを得ない事情で喪主を務めたのにも関わらず、葬儀の費用まで全て工面しないといけないとなると不公平だと感じてしまうのも無理はありません。

そういったトラブルを防ぐ対策としては、遺言で被相続人があらかじめ葬儀について詳細に記載することが挙げられますが、もしそのような遺言がなければ、葬儀の前に他の相続人と葬儀に関する事項をきちんと話し合って合意を得ておくことをオススメします。

区別したい相続税との話

また、ここで区別しておきたいのが、「相続税の考え方」との違いです。

ややこしいのですが、「遺産の中から相続費用を出して良いかという問題」と「相続税の申告において葬儀費用の一部が控除されること」は別の問題です。

相続税の申告においては、以下の費用は葬式費用として控除することができるとされています。

  • 通夜、告別式にかかった費用
  • 通夜、告別式に係る飲食代
  • 火葬及び埋葬に要した費用
  • お寺に対するお布施や読経料
  • 葬儀を手伝ってもらった人への心づけ

葬儀費用を相続税から控除したい場合についてはこちらをご覧ください。

まとめ

以上のとおり、葬儀費用の取り扱いについては様々な考え方があり、一概には判断できないところになります。

葬儀というのは亡くなった方を弔うために行うものです。

そのため、一方的に誰が負担すべきかというよりも、まずは相続人間での話し合いで決めていくのが1番かと思われます

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相隣関係の規定改正(令和3年民法改正)②

※こちらの記事は2022年08月23日までの情報を元に作成しています。執筆時点以降の事情変更により記事の内容が正確でなくなる可能性がございます。

引用しているウェブサイトについても同様にご注意ください。

「民法等の一部を改正する法律」(令和3年4月28日法律第24号)で民法が改正されました。施行日は2023(令和5)年4月1日です。

この改正で、隣地の利用を調整する規定の見直しが行われております。

「隣地使用権」と「越境した竹木の枝の切除権」についての改正は前回の記事をご覧ください。

ライフラインの供給における他人の土地等の使用に関する規定

ガスメーター

改正前の問題

改正前の民法では、上下水道、電気、ガスなどのライフラインの供給における他人の土地等の使用に関する規定がありませんでした。

例えば、道路付きでない土地の所有者が自己の土地にライフラインの供給を希望しても他人所有の隣地においてライフラインの設置を反対された場合や、隣地の所有者が所在不明で応諾をとれない場合に、ライフラインの供給が困難となり得るという問題がありました。

そこで最判平14・10・15において「宅地の所有者は、他の土地を経由しなければ、水道事業者の敷設した配水管から給水を受け、その下水を公流、下水道等まで排出することができない場合、当該宅地の給排水のために、他人の設置した給排水設備を使用することが他の方法に比べて合理的であるときは、その使用により当該給排水設備に予定される効用を著しく害するなどの特段の事情がない限り、民法220条、221条の類推適用により、当該給排水設備を使用することができる。」と判示されました。

また下水道法第11条を類推適用することも実務ではありました。

今回の改正でライフライン説部使用権が明記

そこで、今回の改正により、他の土地や他人の所有する設備を使用しなければ自己の土地にライフラインを供給できない所有者に、ライフライン設備設置権とライフライン設備使用権が明記されました。

  • 改正民法第213条の2第1項において、「土地の所有者は、他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用しなければ電気、ガス又は水道水の供給その他これらに類する継続的給付を受けることができないときは、継続的給付を受けるため必要な範囲内で、他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用することができる。」と定められています。
    ※この設置する土地や設置されている設備のある土地は、隣地に限定されていません。ライフラインの設置、使用に必要不可欠であれば隣地以外も対象となります。
  • 改正民法第213条の2第2項において、ライフライン「設備の設置又は使用の場所及び方法については、他の土地又は他人が所有する設備のために損害が最も少ないものを選ばなければなりません。」と定められています。
  • 改正民法213条の2第3項において、ライフライン「設備設置・使用権を行使するときには、あらかじめ、その目的、場所及びその方法を他の土地の所有者及び他の土地を現実に使用している者に通知しなければなりません。」と定められています。
    ※通知が到達してから2週間~1か月程度の合理的期間経過後に使用可能と考えられます。なお、通知する土地所有者の所在が不明の場合は、公示送達の方法による通知(民法第98条)が必要になると考えられます。
  • ライフライン設備設置・使用権を有する者は他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用するために、当該他の土地又は当該他人が所有する設備がある土地を使用することができる。この使用には民法第209条第1項ただし書及び第2項から第4項までの規定を準用する(民法第213条の2第4項)。
  • ライフライン設備設置・使用権を有し、他の土地に設備を設置する者又は、他人が使用する設備を使用する者は、土地の損害(前項において準用する第209条第4項に規定する損害を除く。)に対して、又は、その設備の使用を開始するために生じた損害に対して、償金を支払わなければならない(民法第213条の3第5・6項)。
    ※設置における一時的な損害として、工作物撤去又は樹木を伐根すること、工事により土地使用に支障が出ることが考えられます。また継続的に生じる損害として使用料が考えられますが、地中に埋設した場合、どのような損害が生じるかは微妙な問題になります。
    ※すでにある設備を使用する場合の一時的な損害としては、例えば使用開始のための工事で一時的に全部の使用ができなくなった場合で生じることが考えられます。
  • ライフライン設備使用権を有し、他人の設備を使用する者は、その利益を受ける割合に応じて、その設置、改築、修繕及び維持に要する費用を負担しなければならない(民法第213条の3第7項)。

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相隣関係の規定改正(令和3年民法改正)①

※こちらの記事は2022年07月18日までの情報を元に作成しています。執筆時点以降の事情変更により記事の内容が正確でなくなる可能性がございます。

引用しているウェブサイトについても同様にご注意ください。

「民法等の一部を改正する法律」(令和3年4月28日法律第24号)で民法が改正されました。施行日は2023(令和5)年4月1日です。

改正された内容の一つとして、隣りの土地について、相互の所有者が、自分の所有地を利用しやすいよう調整し合う関係(相隣関係)の規定について改正がありました。

「ライフラインの供給における他人の土地等の使用」についての改正はこちらの記事をご覧ください。

1.隣地使用権の改正

旧民法では、「境界又はその付近において障壁又は建物を建造し又は修繕するため必要な範囲」に限られて隣地使用権が認められていました。改正では、以下の場合に隣地を使用することが認められました(民法209条1項)。

  • 境界又はその付近における障壁、建物その他の工作物の築造、収去又は修繕
  • 土地の境界標の調査・境界に関する測量をする場合
  • 隣地の枝が自分の土地に越境してきている際に、民法233条3項の規定によりその枝を切除する場合

※上記の隣地使用権を行使する場合には、使用の日時、場所及び方法は、隣地の所有者及び現在の隣地使用者のために損害が最も少ないものを選ばなければなりません(民法209条2項)。

※上記の隣地使用権を行使する者は、あらかじめ、その目的、日時、場所及び方法を隣地の所有者及び隣地使用者に通知しなければなりません。

ただし、あらかじめ通知することが困難なときは、使用を開始した後、遅滞なく、通知するればよいことになっています。(民法209条3項)
なお、3項の通知から使用開始までには、通知の相手方が準備をするに足りる合理的な期間を置く必要があり、緊急性がない一般的な場合は2週間程度と考えられます。

※上記の隣地使用権を行使した場合において、隣地の所有者又は隣地使用者が損害を受けたときは、その償金を請求することができます。

2.越境した竹木の枝の切除権の改正

旧民法233条1項では、隣地の竹木の枝が越境してきた場合にも自ら切除することはできず、越境した竹木の所有者に切除してもらわねばなりません(民法233条1項)。

これでは隣地所有者が切除に協力しない場合や隣地所有者が不明の場合などには、隣地所有者に切除してもらうことが困難でした。

そこで、隣地の竹木の枝が越境してきた場合で次に掲げるときは、土地の所有者は、その枝を切り取ることができることになりました(民法233条3項)。

  1. 竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内(通常時2週間程度)に切除しないとき。
  2. 竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。
  3. 急迫の事情があるとき。

隣地の竹木の枝が越境してきて越境した竹木の所有者に切除請求した場合において、越境している竹木が数人の共有に属するときは、各共有者は、その枝を切り取ることができると改正されました。この改正により、竹木が越境されている土地の所有者は、竹木の共有者の1人から承諾を得れば、その共有者に代わって枝を切り取ることも可能です。

仮に竹木共有者の誰からの承諾を得られない場合でも、竹木の共有者の1人に対しその枝の切除を求める裁判を提起し、その切除を命ずる判決を得れば、代替執行(民事執行法171条)が可能でしょう。

隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、超えられた土地の所有者は、その根を切り取ることができることは変わらず可能です。(民法233条4項)。

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弁護士 杉浦 恵一

相続人の廃除~廃除できたら解決するのか~

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遺産を遺すために生前から準備をする際に、遺産をどのように分けるか、誰に何を遺し、相続させるか、という観点から遺言等を準備することがあります。

逆に、(推定)相続人のうち、誰かには相続させたくないという気持ちで遺言等を準備することもあります。

自分の財産を、誰にどのように分けるかは、原則として自由ですので、誰かには財産を遺したくないという気持ちで対策をすることも十分考えられます。

しかし、相続には遺留分という最低限の財産を保障する制度もありますので、遺留分のある相続人(配偶者、子など)に全く何も遺さないというのは、現実的には難しいこともあります。

では、誰かに相続をさせないようにするには、どのようにしたらいいのでしょう。

相続人廃除とは

相続人の廃除とは、民法892条で、「遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。」と定められている制度のことを指します。

相続人から廃除しますと、その廃除された人に限っては、相続する権利がなくなります

この廃除の意思表示は、遺言書ですることも可能です。

民法893条では、「被相続人が遺言で推定相続人を廃除する意思を表示したときは、遺言執行者は、その遺言が効力を生じた後、遅滞なく、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求しなければならない。この場合において、その推定相続人の廃除は、被相続人の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。」とされており、遺言での廃除の意思表示も認められています。

相続人廃除の注意点

相続人の廃除は、家庭裁判所に請求して、裁判所に認められなければなりませんので、生前に廃除したいという意思を示したり、遺言に記載するだけで、相続人からの廃除の効果が生じるわけではない点に注意が必要です。

また、相続人廃除は、「被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったとき」に請求できることになっています。

そのため、単純に仲が悪いだけのときや、単純に疎遠になっているだけのときなど、虐待等のレベルに達していない場合には、裁判所によって認められない可能性があることも注意が必要です。

それでは、相続人の廃除が認められれば、それによって誰かに財産を遺さないという目的は達成されるのでしょうか。

これは、その方の考え次第によるところがあり、目的が達成されるとも、達成されないとも言えます。

相続廃除されても代襲相続はできる

その理由として、代襲相続という制度があります。

代襲相続とは、本来であれば相続人となるべき方が、被相続人よりも先に亡くなった場合に、本来であれば相続人となるべき方の子等が相続人になるという制度です。

例えば、祖父、子、孫といた場合に、祖父より先に子が亡くなり、その後で祖父が亡くなった場合に、孫が祖父の相続人となる、という仕組みです。

民法では、その887条2項で、「被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。」と定められています。

この代襲相続という制度には、「若しくは廃除によって、その相続権を失ったとき」という文言が入っています。つまり、相続人の廃除が認められても、その廃除された(推定)相続人に子がいれば、その子が代わりに相続人になる、ということです。

相続人廃除を請求した方の意向として、孫なら相続してもいいというような考えであれば、廃除の目的は達したことになりますし、とにかく廃除を請求した(推定)相続人の家系には相続させたくないということであれば、廃除のみでは目的は達成できないことになります。

このように、必ずしも相続人の廃除が認められば、問題が全て解決するとは限りませんので、このような点は十分にご留意いただく必要があるでしょう。

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遺産分割

面識のない実親の遺産相続を放棄した事例


関係者

相続関係図

被相続人:Aさんの父
相続人:Aさんの母、Aさん、Aさんの妹
依頼者:Aさん

概要

Aさんは、父親が亡くなった後、母親から、母親が全て相続する内容になっている遺言書を見せられ、遺留分に関する提案を受けました。

しかし、その内容が合っているのか分からなかったことと、他に自宅が共有になっていたことから、全体的な解決方法を相談するため、弊所にご相談にいらっしゃいました。

解決までの道のり

弊所では、共有物の問題と遺留分を別々に解決することも視野に入れつつ、交渉を行い、共有物に関しては持分の買取りで解決し、遺留分に関しては、遺産を調査の上、争い違った点に関して中間的な金額とする遺留分侵害額を支払ってもらうことで、解決をすることができました。

解決に要した期間

約6か月

所感

遺産の問題になりますと、事実関係がはっきりせず、金額に争いが生じることもあります。

また、不動産の評価額で争いになることもあります。このような場合、双方の主張額の中間値で解決提案をすると、意外に解決されることもあります。

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解決事例一覧へ

遺言執行者の報酬は必要?

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相続人に遺言の内容の実現が困難な場合や相続人が複数いる場合に、効率よく遺言を執行できるのが遺言執行者の制度ですが、遺言執行者の報酬はどのように決まるのでしょうか。

遺言執行者とは

遺言執行者とは、遺言の内容を実現するため手続きをする人のことです。

相続財産目録を作成したり、各金融機関での預金解約手続き、法務局での不動産名義変更手続きなど、遺言の内容を実現します。

遺言書を作成する際に決めておくと良いのですが、亡くなられた後に家庭裁判所により選任することもできます。

遺言執行者の報酬基準

専門家へ依頼する場合

まず、民法第1018条には遺言執行者の報酬は家庭裁判所が決めることができ、当事者間で決めることもできるという規定があります。

ただ報酬額の計算についての取り決めまでは規定されていません。

次に弁護士会や司法書士会、行政書士会など遺言執行者に選任されそうな専門家の所属する各会の基準です。これら各会に報酬基準はありません。
※現在は廃止されましたが、過去に弁護士会には遺言執行の報酬基準があり、そこには「財産総額×2%+ 24万円」という計算式がありました。

よって、法律の規定や各会に報酬の基準がない以上、遺言者と遺言執行者の予定者との間で、行う業務量と難易度を検討して、報酬を決めることになるでしょう。 全く検討がつかない場合は、複数の専門家に見積りをとることが有効です。

相続人の1人や遺言者の親族に依頼する場合

この場合には、無報酬ということはよくあります。

ただ労に報いたかったり、責任を持たせたい場合、報酬を支払うことも可能です。

遺言執行者の報酬には法的な決まりも相場もありませんので、適当と考える金額や計算式を遺言書に記載することになります。

遺言執行者の報酬が決まる要因

遺言書への記載

遺言執行者の報酬の金額や計算式は、遺言者と遺言執行者の予定者と生前に話し合って決めておけば、相続発生後にそのとおりとなります(民法第1018条)。

遺言執行者と相続人で話し合う

報酬について遺言書に取り決めがない場合や、決められた報酬額・計算式に意見がある場合には、遺言執行者と相続人で報酬額について協議することになります。

金額の交渉や遺言執行者の辞任を求めることができます。

家庭裁判所に報酬付与の審判を申立てる

遺言執行者と相続人の話し合いで、報酬額が決定しなかった場合などには、家庭裁判所に遺言執行者に対する報酬付与の審判申立てをすることが可能です。

その他費用について

なお、報酬とは別途に相談料や日当、交通費、証明書の取得等も別途支払いになることがあります。

遺言執行者の報酬やその他費用は、遺言書に別途定めがなければ、相続人や受遺者が全員で負担することになります。

改正後民法

第1018条(遺言執行者の報酬)
1 家庭裁判所は、相続財産の状況その他の事情によって遺言執行者の報酬を定めることができる。ただし、遺言者がその遺言に報酬を定めたときは、この限りでない。
2 第648条第2項及び第3項並びに第648条の2の規定は、遺言執行者が報酬を受けるべき場合について準用する。

民法第648条
第2項
受任者は、報酬を受けるべき場合には、委任事務を履行した後でなければ、これを請求することができない。ただし、期間によって報酬を定めたときは、第624条第2項の規定を準用する。
第3項
受任者は、次に掲げる場合には、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。

一 委任者の責に帰することができない事由によって委任事務の履行をすることができなくなったとき。
二 委任が履行の中途で終了したとき

第648条の2
第1項
委任事務の履行により得られる成果に対して報酬を支払うことを約した場合において、その成果が引渡しを要するときは、報酬は、その成果の引渡しと同時に、支払わなければならない。
第2項
第634条の規定は、委任事務の履行により得られる成果に対して報酬を支払うことを約した場合について準用する。

民法第624条
第2項
期間によって定めた報酬は、その期間を経過した後に、請求することができる。

民法第634条
次に掲げる場合において、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。この場合において、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。
一 注文者の責に帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなったとき。
二 請負が仕事の完成前に解除されたとき。

遺言執行者についての法改正について詳しくはこちら

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相続にあたって知っておきたい、生命保険の取扱い

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死亡保険金は、残された家族の生活保障という目的を持つ遺産のため、一定の範囲内(500万円×法定相続人数)であれば、非課税とされています。

そのため、亡くなられた方(以下「被相続人」といいます。)が節税対策等も兼ねて、生命保険に加入している場合は多いと思います。

では、残された遺族(以下「相続人」といいます。)としては、生命保険をどのように処理すればよいのでしょうか。

生命保険は、受取人の指定等により取扱いが異なりますので、以下で紹介していきます。

生命保険と遺産分割

1.「特定の相続人」が受取人として指定されている場合

ア 生命保険と相続

受取人が相続人に指定されている生命保険は、受取人固有の財産となりますので、被相続人の遺産とはいえず、遺産分割の対象とはなりません。

イ 生命保険と特別受益①(裁判例の紹介)

もっとも、遺産分割にあたっては、特別受益という制度があります。

特別受益とは、特定の相続人が被相続人から遺贈を受けた場合や婚姻・養子縁組・生計の資本として贈与を受けた場合に、当該財産を相続財産に加算して計算をする制度です(民法903条1項)。

死亡保険金が、この「特別受益」に該当するかどうか争われた判例として、最判平成16年10月29日決定があります。

当該決定では、「保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存在する場合」には、特別受益に準じて持ち戻しの対象となるのが相当であると判断しています。

そして、当該決定では、かかる特段の事情の有無に関する判断要素として、①保険金の遺産の総額に対する比率を基準としつつも、それだけでなく、②一緒に住んでいたかどうか、③被相続人に対し介護等でどれだけ貢献をしていたのか、④保険金受取人である相続人及び他の共同相続人と被相続人はどのような関係にあるのか、⑤各相続人の生活実態はどうだったのかなどの事情を挙げています。

したがって、かかる事情を総合的に考慮し、死亡保険金が相続財産に含まれるかどうかが判断されることになります。

なお、一般的には、遺産総額の6割を超えると持戻し(被相続人の財産として、各相続人の相続分に加える計算のこと)の対象となる傾向があるとの指摘もあります。

ウ 生命保険と特別受益②(持ち戻し免除の意思表示)

上記特段の事情が存する場合にも、被相続人が持ち戻し免除の意思表示をしている場合には、相続財産に含まれないことになります。

かかる持ち戻し免除の意思表示は、黙示的なものでもよいと解されていますが、どのような場合に持ち戻し免除の意思表示がなされたとみなされるかは、個々の事情により判断されることになります。

2.受取人が単に「相続人」と指定されていた場合

この場合、保険金請求権は、保険契約に基づいて、保険金請求権発生時における契約者の相続人たるべき個人に属すると解されています。

そのため、各相続人が、各自の相続分に従い、保険金請求権を取得することになるため、遺産分割の対象とはなりません。

3.「被相続人」が受取人に指定されていた場合

被相続人が受取人として指定されていた場合、被相続人はすでに死亡しておりますので、死亡保険金を受け取ることができません。

この場合、保険金請求権は、いったん被相続人に帰属し、相続財産として相続人に承継されると考えられておりますので、遺産分割の対象になることになります。

4.受取人が指定されていなかった場合

保険約款には、受取人が指定されていなかった場合に、誰が受取人になるか定めているものも多くあります。

保険約款において、「被相続人の相続人に支払う」旨規定されている場合には、死亡保険金は、相続人の固有の財産となりますので、「2.受取人が単に「相続人」と指定されていた場合」と同様に、遺産分割の対象にはなりません。

したがって、被相続人が受取人に指定されていた場合には、保険約款の確認が大切になります。

生命保険と相続放棄

では、相続放棄をした場合でも死亡保険金は受け取ることができるのでしょうか。

こちらも受取人が誰に指定されているかによって異なります。

単純承認をしたとみなされた場合には、相続放棄をすることができなくなりますので、ご注意ください。

⑴ 相続人が受取人として指定されている場合

この場合、死亡保険金は、相続人の固有の財産となりますので、死亡保険金を受け取り、これを処分したとしても、単純承認したとはみなされません。

すなわち、この場合、相続放棄をしても、死亡保険金は受け取ることができることになります。

⑵ 受取人が単に「相続人」と指定されていた場合

この場合、保険金請求権は、保険契約に基づいて、保険金請求権発生時における契約者の相続人たるべき個人に属すると解されており、死亡保険金は、相続財産を構成しないため、死亡保険金を受け取り、これを処分したとしても、単純承認したとはみなされません。

すなわち、この場合、相続放棄をしても、死亡保険金を受け取ることができることになります。

⑶ 「被相続人」が受取人に指定されていた場合

注意が必要なのが、「被相続人」が受取人として指定されていた場合です。

この場合、保険金請求権は、いったん被相続人に帰属し、相続財産として相続人に承継されると判示している裁判例もあります。

つまり、理屈上、相続財産を受領し、処分したことになりますので、単純承認したとみなされる可能性があります。

すなわち、この場合には、相続放棄をすると、死亡保険金は受け取ることができないということになります。

⑷ 受取人が指定されていなかった場合

保険約款において、「被相続人の相続人に支払う」旨規定されている場合には、死亡保険金は、相続人の固有の財産となりますので、「2.受取人が単に「相続人」と指定されていた場合」同様、死亡保険金を受け取り、これを処分したとしても、単純承認したとはみなされません。

すなわち、この場合、相続放棄をしても、死亡保険金を受け取ることができることになります。

さいごに

以上のとおり、生命保険の取扱いは一様ではありません。

被相続人の遺産の中に生命保険が含まれている場合には、「受取人が誰に指定されているか」「保険約款ではどう規定されているか」を必ず確認するようにしましょう。

万一、受取人が「被相続人」に指定されているにもかかわらず、それを受け取り、処分をしてしまうと、後に相続放棄をしたくてもできなくなってしまう可能性が高いのでご注意ください。

不安がある場合には、お近くの弁護士にご相談いただければと思います。

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2022年のニュース

2022年12月

12月9日に神戸家庭裁判所伊丹支部に相続放棄申述について家事審判を申立てました。

12月15日に名古屋家庭裁判所一宮支部に相続放棄申述について家事審判を申立てました。

12月15日に名古屋家庭裁判所一宮支部に相続放棄申述について家事審判を申立てました。

12月16日に名古屋家庭裁判所に相続放棄申述について家事審判を申立てました。

12月21日に名古屋家庭裁判所に遺産分割について家事調停を申立てました。

2022年11月

11月15日に名古屋家庭裁判所岡崎支部に相続放棄申述について家事審判を申立てました。

2022年10月

10月3日に名古屋地方裁判所に不当利得返還等請求事件について和解が成立しました。

2022年9月

9月22日に名古屋家庭裁判所に相続放棄申述について判決が出ました。

2022年8月

8月24日に名古屋家庭裁判所に後見開始について後見開始の審判が出ました。

2022年7月

7月14日に名古屋家庭裁判所に相続放棄申述について家事審判を申立てました。

7月11日に名古屋地方裁判所に遺言無効確認請求事件について判決が出ました。

2022年6月

6月7日に名古屋家庭裁判所に遺産分割について家事調停を申立てました。

6月7日に名古屋家庭裁判所に遺留分減殺請求について家事調停を申立てました。

6月9日に名古屋家庭裁判所に相続放棄申述について家事審判を申立てました。

2022年5月

5月16日に東京家庭裁判所に相続放棄申述について家事審判を申立てました。

5月16日に東京家庭裁判所に相続放棄申述について家事審判を申立てました。

2022年2月

2月25日に名古屋家庭裁判所にて遺産分割調停事件について調停が成立しました。

2月25日に名古屋家庭裁判所にて寄与分を定める処分調停事件について調停が成立しました。

2022年1月

1月11日に名古屋家庭裁判所に遺言書の検認申立について家事審判を申立てました。

令和3年に相続関係の法律が改正されました(相続登記の義務化など)

弁護士 杉浦恵一

法改正

相続後に不動産の名義変更をせず、そのままにすることもありました。

相続が発生した時には、いったん共有で登記をしたり、遺産分割が成立すればその内容に従って登記をしたりしていました。

他方で、登記をするにも登録免許税(印紙代)などがかかり、自宅の不動産をそのまま使い続けるのであれば、登記名義を変更しなくても支障がないという場合もありました。

山林や田畑

また、山林や田畑など相続人が使用していない不動産については、そのまま放置されることもあったようです。

これは、相続が発生した時に、名義を変更する登記をしなくても特段の罰則がなかったことも、相続に関する登記がなされていない一因かもしれません。

例えば会社法では、役員の任期が満了した場合などに一定の期間内の登記手続きをしなければ、過料(罰金のような制裁金)を課される決まりがありますので、こういった他の法律の決まりと比較しますと、相続に関しては異なる点がありました。

今後は、相続後の登記などが義務化になります。

役所

しかし、令和3年に法改正があり、今後は相続が発生し、遺産の中に不動産があるような場合には、相続の登記などが義務化されることになりました。

これは、現在の日本で、相続が発生しても登記されないまま残っている不動産が多くあり、一説には平成28年時点で九州の面積よりも広い面積がそうなっていると言われています。

不動産

所有者が不明であれば、その後の土地利用に制限がかかってきたり、不便なことが多いため、対策として法律が改正されることになりました。

今回の相続登記の義務化関連の部分は、公布の日(令和3年4月28日)の後、3年以内の政令で定める日から施行されますので、遅くとも令和6年5月頃には施行されていることになります。

具体的な変更点

では、具体的にどのような変更があったのでしょうか。

法改正では、

相続や遺贈(遺言などを含む)によって不動産を取得した相続人には、自己のために相続の開始があったことを知り、かつその所有権を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記の申請をすること

が義務付けられました。

新しい種類の登記方法

ただ、遺産分割ができなくなるわけではなく、遺産分割によって相続人の誰かに不動産が集約されることもよくありますので、必ず相続登記をしなければならないと、かえって面倒なことになりかねません。

そういった観点から、相続人が申請義務を簡易に履行することができるように、

新しい種類の登記

相続人登記
①所有権の登記名義人について相続が開始した旨
②自らがその相続人である旨
を申請する義務

が設けられることになりました。

法務局

このような申請をすると、法務局においては、申出をした相続人の氏名・住所等を職権で登記として記載することになるようです。

この義務は、
①自己のために相続の開始があったことを知ったとき、かつ、
②その所有権を取得したことを知ったとき、の両方を満たすとき
(つまり遅い方の日)から3年を経過するまでに果たさなければならないものです。

そうしますと、自分のために相続があったことを知らない場合(自分が相続人だと知らない場合)や、相続があると知っていても遠方の土地などで不動産の存在を知らないときには、義務はまだ生じないようです。

義務に違反した際の過料

過料

ちなみにこの義務に反した場合には、その違反に正当な理由がない場合に10万円以下の過料を課されることがある決まりになりました。

これが相続人1人当たりなのかどうかは今のところ運用されていないので何とも言えないところです。

また、法務省の想定では、相続に関する登記ができない「正当な理由」がある場合とは、

  • ①数次相続が発生して相続人が極めて多数に上り、戸籍謄本等の必要な資料の収集などに多くの時間を要する場合
  • ②遺言の有効性や遺産の範囲等が争われている場合
  • ③申請義務者自身に重病等の事情がある場合

といったことが想定されているようです。

逆に言えば、こういったような場合でなければ、登記をしないことに正当な理由がないと判断されそうです。

お問い合わせ

これまで相続をしても登記をする義務がありませんでしたが、近い将来にはこのような義務が課されることになりますので、まだ遺産となっている不動産(土地・建物)を相続登記・遺産分割していない方は、早めに手続きを進めた方が無難でしょう。

遺産分割

面識のない実親の遺産相続を放棄した事例


関係者

相続関係図

被相続人:Aさんの実親
相続人:Aさん
依頼者:Aさん

概要

Aさんのところに、いきなり裁判所から遺産分割調停に関する呼出状が送られてきました。

しかし、その名前に全く身に覚えがなく、特に遺産がほしいということでもなかったため、当事務所に対応のご相談にいらっしゃいました。

解決までの道のり

内容を確認すると、Aさんは以前に養子縁組されており、面識のない実親のかなり昔の先祖の名義の土地がそのままになっていたということで、遺産分割調停が申し立てられていました。

Aさんは、実親が亡くなったことも知らず、何があるか分からないので一切かかわりたくないというご意向でした。

そこで当事務所では、実親の死亡を知ったときが遺産分割調停の呼出状を受け取った時だとして、実親の相続放棄をすることを提案しました。実際に相続放棄が認められたことで、Aさんは遺産分割調停に関わる必要がなくなりました。

解決に要した期間

約1か月

所感

遠い親戚などの過去に発生した相続で、急に連絡があることも時々あります。

田畑や山林など、名義変更をせずにそのままにしていたり、古い家屋が残っていた場合などが考えられます。この際に遺産分割に参加することは考えられますが、状況によっては相続放棄することも考えられます。

ただし、相続放棄はいつでも必ずできるものではなく、期間制限等の条件があることに注意する必要があります。

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